皆さんはクレジットカードの「5大国際ブランド」をご存じでしょうか?
Visa、Mastercard、JCB、American Express(AMEX)、DinersClubの5つが「5大国際ブランド」と呼ばれています。これから5回にわたって、それぞれのブランドをご紹介していきます。
第5回目はMasterCard(マスターカード)についてご説明します。
- MasterCardのメリット・デメリットを知りたい
- VisaとMasterCardの違い、どちらを持つべきかを知りたい
MasterCardの国際ブランド調査
MasterCardは、Visaと並び世界最大の国際ブランドです。2019年にはラグビーワールドカップの公式スポンサーとして活動していました。
加盟店数は国際ブランドの中でも最多で、公式ホームページでも加盟店数世界一と紹介されているほどです。
【世界一】Mastercardの加盟店数
国際ブランドでの立ち位置は2番手
先ほのグラフは2018年時点の加盟店数です。より新しい計数を下記の通りまとめました。加盟店数はVisaに劣らぬものの、会員数はVisaに大差をつけられ2番手に位置しています。
|
Visa |
MasterCard |
JCB |
AMEX |
Diners Club |
会員数(枚) |
340億 |
21億 |
1億3,000万 |
1億1,200万枚 |
― |
加盟店数 |
61百万 |
61百万 |
3千万 |
23.3百万* |
26百万* |
利用可能な国や地域 |
200以上 |
210以上 |
23 |
― |
185 |
取扱高(USD) |
76,650億 |
38,140億 |
2,722億 |
10,710億 |
286億 |
加盟店数がVisaと同じ理由は、お店がVisaカードを使えるようにする契約をカード会社と結ぶ際、カード会社がMastercardもセットで契約をさせるためです(逆もまた然り)。
Visaの発行枚数が多い理由は、Visaのほうが設立年月が古い(Visa:1958年、MasterCard:1966年)ということもありますが、提携カードの数がMasterCardに比べて多いことが主な要因と考えられます。
国内主要カード会社のVisaとMasterCardの取り扱いカード数をまとめると、Visaと提携しているカードの多さが分かります。(2020年4月時点)
カード会社 | Visa | MasterCard |
イオンクレジット | 42種類 | 30種類 |
セゾンカード | 61種類 | 39種類 |
オリコカード | 27種類 | 4種類 |
楽天カード | 9種類 | 15種類 |
三井住友カード | 252種類 | 40種類 |
MasterCardブランドの法人カードはこちら
カード名 | 年会費 | 追加カード年会費 | 審査の通りやすさ |
---|---|---|---|
オリコゴールド | 2,200円(税込) ※初年度無料 |
法人代表者:無料 個人事業主:発行不可 |
★★★★★ |
三井ゴールド | 11,000円(税込) | 3,300円(税込) | ★★☆☆☆ |
三井for Ownersクラシック | 1,375円(税込) ※初年度無料 |
440円(税込) ※初年度無料 |
★★★★☆ |
三井for Owners ゴールド |
11,000円(税込) ※初年度無料 |
2,200円(税込) ※初年度無料 |
★★★☆☆ |
三井for Owners プラチナ |
55,000円(税込) |
5,500円(税込) |
★★☆☆☆ |
ライフゴールド | 2,200円(税込) ※初年度無料 |
2,200円(税込) ※初年度無料 |
★★★☆☆ |
UCゴールド | 11,000円(税込) | 2,200円(税込) | ★★☆☆☆ |
ラグジュアリーチタン | 55,000円(税込) | 15,500円(税込) | ★★★★☆ |
ラグジュアリーブラック | 110,000円(税込) | 25,500円(税込) | ★★★☆☆ |
ラグジュアリーゴールド | 220,000円(税込) | 55,000円(税込) | ★★★☆☆ |
【比較】Visa(ビザ)とMasterCard(マスターカード)
加盟店数に違いはない両社ですが、細かいところで違いがあります。
Visa | MasterCard | |
金属カードを発行できる | × | ○ |
コストコで使える | ✖️ | ○ |
Apple Payが使える | ✖️ | ○ |
為替レート | 〇 | × |
【MasterCard】金属製のプレミアムカードがある
クレジットカードというと、プラスチック製のカードが一般的です。しかし、プレミアムなカードの中には金属製のカードも存在することをご存知ですか?
MasterCard ブランドの金属製カードを出しているのはラグジュアリーカードのみです。
ラグジュアリーカードきたーーー!!!まずはチタンカードにしました!!!
重たい、、かっこいい、、
チタン製が2枚に増えました。地味にマスター作るのも初めてかも。#ラグジュアリーカード pic.twitter.com/zczjwZFEsR— 白石亮博/john@カヌチャベイ/レジェンドスポーツ (@rego_sfc) February 21, 2020
通常のプラスチックカードが5gであるのに対し、金属製のカードは20gほど。重量感があります。お店で使うと店員に必ず驚かれるのだとか。私自身も一度は持ってみたいカードの一つです。
【MasterCard】コストコで使える唯一のブランド
2018年までアメックスのみ使えましたが、現在は MasterCard のみ使えます。
大量のお買い物で現金支払いは持ち歩きリスクが大きいため、コストコに行かれる方はMasterCard をおすすめします。
【MasterCard】タッチ決済はApple Pay設定可能
MasterCard は タッチ決済用にApple Payを設定することができます。Visaはカードに付帯している電子マネーのタッチ決済ようにApple Payを設定できます。
いずれも国内では問題なく決済はできるので大差ありません。しかし、海外ではVisaカード(正確にはVisaに付帯した電子マネー)をApplepayで支払うことはできませんが、MasterCardの非接触決済を設定していれば国内外問わず決済可能です。
【Visa】為替レートはVisaが優れています
海外での決済する場合、Visaの方がMasterCardよりもレートが良いです。以下の表は、2019年5月から2020年4月までの毎月1日のレートをまとめたものです。
わずかではありますが、VisaのほうがMasterCardよりも良いレートです。海外旅行で多額を決済する場合は、このわずかな差が大きく影響してくるため、海外旅行に頻繁にいかれる方はVisaをお勧めします。
1USDの為替レート(事務手数料0%、単位:JPY)
Visa | MasterCard | ||
2019年 | 5月1日 | 111.23 | 111.54 |
6月1日 | 108.26 | 109.60 | |
7月1日 | 107.56 | 108.52 | |
8月1日 | 108.50 | 109.31 | |
9月1日 | 106.10 | 106.66 | |
10月1日 | 107.74 | 108.45 | |
11月1日 | 107.92 | 108.25 | |
12月1日 | 109.39 | 109.65 | |
2020年 | 1月1日 | 108.47 | 108.91 |
2月1日 | 108.28 | 109.12 | |
3月1日 | 107.46 | 110.01 | |
4月1日 | 107.44 | 107.94 |
【判定】VisaとMasterCardのどちらを選ぶべき?
コストコで買い物をする方、金属製のカードが欲しい方、海外でもスマートフォンで決済したい方はMasterCardを選びましょう。そうでない方は、海外の為替レートの点で優位性を持つVisaを選ぶことをおすすめします。
【OK】MasterCardの強み
「マスターカードプリペイド」で使いすぎ防止
後払式のクレジットカードのみならず、前払式のプリペイドカードも発行できます。プリペイドカードとは、事前に使用する金額を専用サイトや店頭でチャージし、購入時にチャージ金額から代金を差し引く前払式のカードです。
メリットは使い過ぎを防止できること、年会費や発行手数料が無料なカードが多くお得にカードを作れることです。
デメリットは、チャージをする手間が発生すること、一部利用できないお店(光熱費の集金代行やガソリンスタンド等)があることです。
MasterCardブランドのプリペイドには、dカードプリペイドやau wallet card、JALグローバルウォレットのようにポイントやマイルが貯まるものもあります。サブカードとして発行し、ポイントを効率的に貯めることができます。
「MasterCardコンタクトレス」でスマートに支払い
他の国際ブランドと同様、MasterCardも非接触決済の手段として「MasterCardコンタクトレス」を利用できます。使える加盟店は下記の通りです(2020年4月時点)。
加盟店タイプ |
加盟店名(あいうえお順) |
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飲食店 |
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コンプレックス、百貨店 |
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コンビニエンスストア |
|||||
書籍、ヘルスケア、メガネ |
文教堂 |
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交通関連 |
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ペイメントパートナー |
【NG】MasterCardの弱み
プロパーカードがない
MasterCardはVisaと同様、カード発行会社ではありません。
JCBやAMEX、DinersClubであれば、どの会社とも提携していないカード(プロパーカード)を発行していますが、VisaやMastercardは他のカード会社のみが彼らのブランドのカードを発行しています。
そのため、「とりあえずプロパーカード」という選び方ができず、自分で各カード会社ごとの特徴を比較し、発行する手間があります。
まとめ
加盟店数が多く、国内外を問わず使いやすいのがMasterCardです。少なくとも財布に1枚、VisaかMasterCardいずれかをメインカードとして発行することをおすすめします。
某クレジットカード会社で法人カードの審査部門を経て、現在は法人営業をしています。経費精算に手間が掛かる法人こそ、キャッシュレスに取り組むメリットが大きいと思います。