信玄の法人カード初めて物語【第九話】法人カードの利用限度額はどうなっておるんじゃ?
公開日:2019年07月05日
ヒロ☆総合会計事務所
代表取締役:田淵 宏明
現代で起業に挑戦した武田信玄は、ビジネスを軌道に乗せつつあった。法人カードを存分に活用し、天下に号令をかけられるか!?
法人カードの利用限度額はどうなっておるんじゃ?
このページを手早くまとめると
《 法人カードの利用限度額とは? 》
- 利用限度額は審査で決まる
- 引落し時の残高不足には要注意
- 毎月のカード利用額を想定して法人カードを選ぼう
- 利用限度額は法人カードの適正利用で増額できる
利用限度額は、審査によって決まる
多くの法人カードで利用限度額が設定されてるから、決められた範囲内で使わなあかんで。利用限度額はカード会社の審査で決まるから、一律で決まってるわけではないんやけどな。
武田家は名門じゃから、たっぷり使えるに決まっておるわ。兵糧代に武具代に、戦をするにも金がかかって仕方ないのじゃ。
有名な大企業やから利用限度額が大きいというわけではないで。法人カードの審査については第四話で紹介したけど、審査の項目にネームバリューは含まれへんのや。
そうであったか。名前だけで金が借りられるほど、現代は甘くないということじゃな。大名貸で踏み倒しができた頃が懐かしいわい。
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引落し日には口座にたっぷりお金を残しておこう
法人カードの引落しについても教えてもらいたいのじゃが、引落し日に口座の残高が不足していることもあるかと思うのじゃ。月末は何かと出費が嵩むからのう。残高不足で引落しができなかった場合、それ以降のカード利用はどうなるのじゃ?
基本的に法人カードの支払いは1回払いやから、残高不足で引落しができないとなると、以降のカード利用が止められることがあるんや。もちろん、カード会社から指定された入金日までに入金すれば問題ないんやけどな。
但し、入金してからカード利用が再開出来るまでに数日かかることもあるさかいに、引落し日には口座にたっぷりお金がある状態にしておくのがベストやで!
なかなかに厳格じゃのう。1回や2回くらい引落しができなくても、多少は融通を利かせてくれたら良いものを。
それはちと危険な考えでっせ。引落しの遅延が重なると信用情報が悪化して、銀行やビジネスローンの融資を断られるかもしれへん。
そうであったか。当家の今後の繁栄のためにも、引落し日に残高不足になるようなマネをしてはいかんな。
毎月の利用額を想定した法人カード選びを
利用限度額の考え方やけど、毎月のカード利用額を想定した上で、想定した2倍以上の利用限度額が設定されている法人カードを選ぶのがコツなんや。
倍以上も余力を残しておく方が好ましいと?
毎月のカード利用額が40万円程度やったら、利用限度額が100万円以上の法人カードを申込むことをお勧めするで。これなら利用限度額まで60万円の余裕があるから、急に法人カードを使う事態が発生しても十分に対応できるしな。
武田家では家臣団に追加カードを持たせるつもりじゃが、追加カードを発行した場合の利用限度額はどうなるのじゃ?ワシが使う前に家臣が綺麗に使いきってスッカラカン、というのでは困るぞ。
第二話で紹介したけど、利用限度額というのは追加カードを含めた法人カードに設定されるもんやから、社員さんに持たせる場合はそれぞれに利用限度額を決めておかなあかんで。
「社長はいくらまで、役員Aはいくらまで使える」という具合に利用限度額をみんなで分け合うイメージやな。申込み段階でカードごとの利用限度額を設定しておけば、カード会社からの審査結果の電話で教えてくれるはずやで。
そうであったか。では、将来的にカード利用額が増えた場合はどうすれば良いのじゃ?希望した利用限度額が審査に通らなかったり、いつまでも利用限度額が同じでは、今後の使い勝手が悪くなるのう。
利用限度額は法人カードの適正利用で増額できる
出来立てホヤホヤの会社が、最初から希望通りの利用限度額を設定されることは難しいんや。まだまだ社会的な信頼がないから、しばらくはカード会社も「ちゃんと返してくれるかな?」と様子見してるんや。
少額でも良いから毎月法人カードを利用して、支払日にきちんと引落しされるのが大事なんや。それが半年間から1年間続ければ、利用限度額を増額できる可能性が高くなるで。海外出張などで一時的に利用限度額を増額したい場合は、事前にカード会社に連絡すれば増額させてもらえることもあるし覚えといてや。
ビジネスも法人カードもクレジット(信用)の積み重ねが肝要というわけじゃな。カード会社から信用してもらえるように、実績を積み上げていくしかあるまい。ところで話は変わるが、最近は甲斐から駿河や相模方面への遠征も多く、法人用ETCカードにも興味があるのじゃが。
営業マンに持たせたい経営者さんも多いやろうから、次回は法人ETCカードの話をしよか。

小和田哲男 氏
1944年静岡県生まれ。現在、静岡大学名誉教授。日本中世史が専門で、戦国時代研究の大家。大河ドラマの時代考証や多数の出版物を刊行するなど、メディアでも幅広く活躍。最近ではYouTube「戦国・小和田チャンネル」を開設、自ら歴史の魅力を語っている。

【略歴】カード会社勤務5年目を迎える営業マン。趣味は転職(社会人10年目で転職6回)、特技は早期退職(最短記録は入社後3時間でクビ)。『転職の神様』なるハウツー本の出版を志すも、会社が副業禁止であえなく断念。昼間はクレジットカードの営業、夜間は法人カードの比較サイト運営に励む毎日。いずれは審査業務に携わるべく、クレディッター(クレジット審査業務能力検定一般コース)の資格取得に向けて勉強中。>> 運営者の詳細なご紹介はこちら