皆さんはクレジットカードの「5大国際ブランド」をご存じでしょうか?
Visa、MasterCard、JCB、American Express(AMEX)、DinersClubの5つが「5大国際ブランド」と呼ばれています。これから5回にわたって、それぞれのブランドをご紹介していきます。
シリーズ第1回は、Visaについてご説明します!
Visaの国際ブランド調査
Visaは知名度・シェアともに世界No.1を誇るクレジットカードのブランドです。アメリカ発祥で、最近は東京2020オリンピックのスポンサーとして話題です。
https://twitter.com/VisaJP/status/1234810754504675330
Visaの拡大戦略の内容
世界No.1と言われるVisaは、なぜ世界一のシェアを獲得しているのでしょうか。それは、他のブランドと異なる拡大戦略をとってきたためです。
というのも、VisaはJCBやAMEXといった他のブランドと異なり、会社自体がカード発行会社ではありません。彼らは「VISA」という決済機能のライセンスを世界各国のカード会社に付与し、様々なカード会社でVisaブランドのカードを発行させたり、加盟店開拓させたりしています。
Visaのホームページを見てみると、彼らのページからカードを申し込むことはできません。その代わりに、たくさんのカード会社が紹介され、各社のページからカードを申し込むことができるようになっています。
Visaブランドの法人カードはこちら
カード名 | 年会費 | 追加カード年会費 | 審査の通りやすさ |
---|---|---|---|
オリコゴールド | 2,200円(税込) ※初年度無料 |
法人代表者:無料 個人事業主:発行不可 |
★★★★★ |
三井ゴールド | 11,000円(税込) | 2,200円(税込) | ★★☆☆☆ |
三井クラシック | 1,375円(税込) |
440円(税込) | ★★★☆☆ |
三井for Owners プラチナ |
55,000円(税込) | 5,500円(税込) | ★★☆☆☆ |
三井for Owners ゴールド | 11,000円(税込) ※初年度無料 |
2,200円(税込) ※初年度無料 |
★★★☆☆ |
三井for Owners クラシック |
1,375円(税込) ※初年度無料 |
440円(税込) ※初年度無料 |
★★★★☆ |
ライフゴールド | 2,200円(税込) ※初年度無料 |
2,200円(税込) ※初年度無料 |
★★★☆☆ |
ライフビジネス | 無料 |
無料 | ★★★☆☆ |
UCゴールド | 11,000円(税込) | 2,200円(税込) | ★★☆☆☆ |
UC一般 | 1,375円(税込) | 1,375円(税込) | ★★★☆☆ |
ビジネクスト | 無料 | 無料 | ★★★★☆ |
【OK】Visaの強みとは?
使える店舗数が世界一
まずは以下の比較表をご覧ください。
|
Visa |
MasterCard |
JCB |
AMEX |
Diners Club |
---|---|---|---|---|---|
会員数(枚) |
340億 |
21億 |
1億3,000万 |
1億1,200万枚 |
― |
加盟店数 |
61百万 |
61百万 |
3千万 |
23.3百万* |
26百万* |
利用可能な国や地域 |
200以上 |
210以上 |
23 |
― |
185 |
取扱高(USD) |
76,650億 |
38,140億 |
2,722億 |
10,710億 |
286億 |
(―:非公表 * : 推定)
Visaの加盟店数(=カードが使える場所の数。ネットショッピングや実店舗等含む)は他のカードブランドに比べて格段に多いことがわかります。使える場所が多いため、国内利用のみならず海外旅行の際にも使いやすく、初めてのクレジットカードはVisaで発行することをお勧めします。
Visa payWaveでスマート決済
通称「Visaタッチ」と呼ばれるものです。カードを端末にかざすだけで決済でき、欧米諸国や東南アジアの先進地域で流行っています。
電子マネー(iDやQUICKpay)との違いは、電子マネーはクレジットカードとは別で付帯するかどうかを決められるのに対し、Visa payWaveはVisaブランドのカードを申し込むと問答無用で付帯されます(カード会社によっては未対応な場合もあります)。
最近Visaカードを申し込まれた方は、券面を見てみるとwi-fiマークが横向きになったようなマークがあるかと思います。そのマークが付いていると、Visa payWaveを利用できます。
地下鉄、VISA Paywaveに対応してた!ピッとタッチしたら入れる!#しゅうへいNY pic.twitter.com/P7NUgJT9Q2
— しゅうへい@借金445.0 (@shupeiman) February 28, 2020
日本ではローソン・マクドナルド・ドトール・すき家・ココス・はま寿司・TSUTAYAなどが対応済み、イオン系列の店舗も順次対応中です。「Visaをタッチで」と店員に伝え、試してみてください。
https://twitter.com/julia_25jp/status/1235789667783413763
Visa Business Payで請求事務を簡素化
こちらは、取引先に中小・零細企業、個人事業主が多い法人にぜひおすすめしたい機能です。取引先に対し請求書を作成し、確認、送付、入金確認、入金督促、領収書の発行…といった一連の請求事務を、Web上で完結できます。
え、なにこれ便利なんじゃね?
"売主が専用Webサイトから買主様へ請求書のリンクが添付されたメールをお送りし、買主がリンク先においてお手持ちのVisaカード情報を入力することでカード決済が完了"
琉球銀行、事業者間取引専用決済ツール「Visa Business Pay」の取り扱い開始https://t.co/XKdE0NdLkm— 8maki (@8maki) July 31, 2019
法人はVisa Business Payのシステム上でデジタル請求書を発行し、取引先は同システム上でVisaカードを使って支払いをします。
Visa Business Payのメリットは、法人にとっては請求事務の合理化、債権管理や与信管理のコスト軽減が期待されます。また、取引先にとっては、法人または個人で持っているVisaカードを使って請求された代金を支払うことができるので、ポイントを大量に稼ぐことができます。
一方でデメリットとしては、支払いがVisaカードのみのため、Visaカードを持っていない取引先には活用することができません。
【NG】Visaの弱みとは?
自社でカードを発行していない
Visaの弱みとは、自社でカードを発行していないことに尽きます。JCBやAMEXは、彼ら自身がカードを発行しています。
国際ブランド会社が発行するカード(例:JCBがカードを発行・国際ブランドはJCB、AMEXがカードを発行・国際ブランドはAMEX)を「プロパーカード」といいますが、Visaにはプロパーカードがありません。
つまり、他社(オリコや三井住友カード、ライフカードなど)が発行するカードにVisaブランドが間借りしている状態です。「とりあえず、Visaのプロパーカードを発行しよう」という選択をすることができず、サービスや還元率を自身で比較しながらカード会社を選ぶ必要があります。
まとめ
Visaカードは個人で持ったときの利便性もさることながら、法人向けのサポートも充実しています。いまVisaをお持ちでない方は、ぜひ入会を検討してみてください。
某クレジットカード会社で法人カードの審査部門を経て、現在は法人営業をしています。経費精算に手間が掛かる法人こそ、キャッシュレスに取り組むメリットが大きいと思います。