【カード会社の台所事情を探ってみた】法人カードが今イチ盛りあがらない理由とは?

【カード会社の台所事情を探ってみた】法人カードが今イチ盛りあがらない理由とは?

今回は「なぜ法人カードはニッチ産業なのか」をご紹介します。

 

【疑問】なぜ法人カードはニッチ産業なのか?

つい最近、柄にもなく経営者向けの名刺交換会に参加した時の話です。

そこでは様々な業種の経営者さんが集まっておられましたので、私もここぞとばかりに「法人カードの比較サイトを運営しておりまして・・」とサイトのアピールに走ったのですが、10人中9人の経営者さんが「なんですか、それは」と頭上にデカデカと「?」を浮かべておられました。

「まさか、経営者の方が法人カードを知らぬ筈はなかろう!」と高をくくっていた私は、慌てふためき冷や汗をかきながら法人カードの説明するハメに。。

最終的には「それは便利ですね」「憶えておきます」と笑顔で聞いて頂いたのですが、法人カードの認知度がそこまで高くないことを強烈に教えられた1日でした。灯台もと暗しとは、これいかに。

しかし、そんな私にも言い分はあります。

こんなこともあろうかと、事前にインターネットで調査したところ、2018年のデータでは法人カードの普及率は年々向上していたのです。(参照:『クレジットカード発行枚数調査結果一覧』)

発行年度 法人カード発行枚数(単位:万枚) 前年比(単位:%)
平成26年3月末(2014年) 639
平成27年3月末(2015年) 874 36.8
平成28年3月末(2016年) 888 1.6
平成29年3月末(2017年) 923 3.9
平成30年3月末(2018年) 1,002 8.6

クレジット協会が法人カードの発行枚数を調べ始めて5年ほどですが、毎年少しずつ上昇していることがわかります。これをもって、「世の中の経営者さんは法人カードを知っているに違いない!」と早とちりした私が諸悪の根源ではあるのですが。

では、なぜ法人カードがニッチ産業のポジションしか獲得できていないのか、徹底的に調べてみることにしました。

 

【回答】法人カードは大して儲からないから

あれこれ調べ回った揚句、「なぜ法人カードはニッチ産業なのか?」に対する答えは、法人カードは大して儲からないからが浮かんできました。

ただ、これだけでは当たり前すぎて面白くもありません。なぜ法人カードが大して儲からないのか大して儲からないのに発行する理由は何か、順を追って説明を進めていきます。

 

【理由①】個人向けカードの方が儲かるから

個人向けカードの方が儲かるから、この理由を深堀りするには、まずカード会社の収益構造を知っておくことが前提となります。

カード会社の収益構造については、【実は審査に通りやすい法人カードの選び方4選】意外と年会費が高いカードが狙い目?!でもご紹介しましたが、改めて記載しておきます。

【カード会社の収益構造】
収益源① 「加盟店からの手数料収入」
収益源② 「分割払いやリボ払いよる金利・手数料収入」
収益源③ 「キャッシングの利息」
収益源④ 「会員の入会金及び年会費収入」

では、この4つがどれくらいの割合を占めているかをご紹介しましょう。2015年に経済産業省大臣官房調査統計グループが実施した調査に基づいています。(参照:『特定サービス産業実態調査報告書 クレジットカード業,割賦金融業編』)

【カード会社の収益割合】
収益源① 「加盟店からの手数料収入」42.7%
収益源② 「分割払いやリボ払いよる金利・手数料収入」25.1%
収益源③ 「キャッシングの利息」20.0%
収益源④ 「会員の入会金及び年会費収入」12.2%

ここでも明らかなとおり、カード会社の主な商売はフィービジネス(手数料が儲け)です。フィービジネスの特徴とは、カードを使ってもらわないと利益にならないことです。

カード会社の収益の約90%がフィービジネスであり、しかも「分割払いやリボ払いよる金利・手数料収入」や「キャッシングの利息」は個人向けカードから獲得したものです。

基本的に支払いがマンスリークリア(翌月一括払い)の法人カードでは、分割払いやリボ払い、キャッシング機能が付属したものは極々少数に留まります。

カード会社としては、個人向けカードにポイントプログラムや提携サービスを充実させることで利用促進を促し、できれば分割払いやリボ払い、キャッシングの高い利息を払ってほしいというのが本音です。

さらに、これまでカード会社にとって1番の収益源であった「加盟店からの手数料収入」ですが、こちらも今後はどうなるか予断を許しません。

ひとつは世耕経済産業大臣が「カード会社は加盟店手数料を取り過ぎ。もっと下げなさい。」と公式にコメントを出したこと。(参照:【高すぎる加盟店手数料に政府のメスが?!】年会費が上がる前に法人カードを作りましょう!

もうひとつは、近ごろ流行のコード決済の加盟店手数料が安すぎることが挙げられます。コード決済とは、PayPayやAmazonペイ、楽天ペイなど、スマートフォンのQRコードから決済ができるシステムです。

これらのコード決済では、決済手段としてクレジットカードを登録できるものもあり、「コード決済のポイント」と「クレジットカードのポイント」が二重取りできると話題をさらっています。

さて、一般的にクレジットカードの加盟店手数料は約3~5%ですが、コード決済にかかる加盟店手数料は約2.5~3%と安価です。

ですので、ユーザーとなるお客さん(ポイント二重取り)やお店(安い加盟店手数料)は、QRコードを歓迎すべきものですが、カード会社にとっては目の上のたんこぶとも言えます。実際、私の家の近所のスーパーではクレジットカードは使えませんが、レジ横にコード決済のシールがデカデカと貼っています。

いずれの理由にしても、法人カードよりも個人向けカードに注力した方が儲かることは間違いありません。

 

【理由②】法人カードは貸し倒れリスクが大きいから

貸し倒れリスクが大きいから、これは法人カードの利用限度額が大きいことが原因です。

個人向けカードの利用限度額がせいぜい100万円程度に対して、法人カードは数百万円~数千万円、果ては利用限度額なしのカードまで存在します。

これこそが法人カードの最大の特徴ですが、カード会社からすれば最大の脅威でもあります。薄利多売のカード会社にあって、数百万円~数千万円の貸し倒れが発生することは、何が何でも避けなければなりません。

そこで、個人向けカードと比べると、どうしても法人カードの審査は厳しくならざるを得ません。

申込み者個人の信用情報に問題がなければ、たいていの法人カードの審査には通るものですが、それでも個人向けカードの様に「ガンガン発行して、ガンガン使ってもらおう!」となるのは難しいのが実情です。

 

【展望】法人カードの将来像を占う

では、法人カードの将来像を私なりに占うと、おそらく現状維持が続くと思われます。

「現状維持」とは、テレビCMなどの宣言広告に力を入れるでもなく、専任の営業部隊を設けるでもなく、「申込みがあったら、その都度対応しておこう」というスタンスです。

その理由はこれまで述べてきたとおり、法人カードよりも個人向けカードの方が儲かるからです。

2019年6月のニュースでは、審査不要のプリペイド法人カード「Paild(ペイルド)」が登場してきましたが、そこまで爆発的に広がるとも思えません。理由はPaildの記事にも書きましたが、事前に口座へ入金した金額分しか利用できないため、自己資金に乏しいスタートアップには馴染みません。

これからも引き続き、法人カード比較サイトの戦国法人カードでは法人カードにまつわるニュースを取り上げて考察してまいります。

 

 

法人カードオススメ番付

  • 総合バランス番付/価格・ポイント・サービスのバランスで選ぶなら
  • とにかく安く番付/年会費・追加カードの安さ重視で選ぶなら
  • コスパ還元番付/月の使用額が100万円を越えるなら
  • ステータス&付帯サービス番付/持ってるだけで惚れる!カッコ良さで選ぶなら
  • 審査に通りやすい番付/運営者の個人的な好き嫌いで選ぶなら

信玄の、法人カード初めて物語

法人カードの機能・メリットカテゴリの最新記事