- 三浦佑一郎
- シニアクレディッター(クレジット審査業務能力試験上級コース)
関西の国立大学を卒業後、メーカー系の金融機関で債権管理ととも与信審査を4年間担当。
今回は「キャッシング残高100万円以上でも審査に通る?!」をご紹介します。
《個人事業主やフリーランスにおすすめカード》 | |||
---|---|---|---|
カード名 | 年会費 | 審査の通りやすさ | |
1位 | NTTファイナンスBiz | 無料 | ★★★★★ |
2位 | 三井住友for Owners クラシック | 1,375円(税込) | ★★★★☆ |
3位 | セゾンプラチナ | 22,000円(税込) | ★★★★☆ |
4位 | アメックスビジネス | 13,200円(税込) | ★★★★☆ |
5位 | アメックスゴールド | 36,300円(税込) | ★★★★☆ |
キャッシング残高100万円以上でも審査に通るのか?
謎のベールに包まれている審査の話は、現役の法人カード審査担当者としてご活躍されている三浦さんにご説明頂きましょう。どんな話が聞けるのか、是非お楽しみください。
キャッシング残高は審査にさほど影響しません
こんにちは、某クレジットカード会社で審査担当者として勤務しております三浦と申します。今回は「キャッシング残高100万円以上でも審査に通るのか?」というお題でお話させていただきます。
結論から申し上げると、キャッシング残高と審査の通りやすさは、そこまで関係ありません。世間の一般的なイメージでは、「キャッシングに頼らないと生活できない人間が、法人カードの審査に通るはずがない・・」と思われる方も多いと聞きますが、審査担当者としてはそこまで重視していません。
もちろん、キャッシングの返済期日に遅れている方には、どうしてもマイナス評価にせざるを得ません。カード会社は「キャッシングの利用者は、返済日を守らない傾向が強い」というデータを持っていますので、キャッシングの返済状況には特に注意を払っています。
一方、きちんと返済期日を守ってキャッシングを利用されている方には、キャッシング残高が100万円を超えていたとしても、問題視はしません。大事なことは「借りたら返すの積み重ねがあるかどうか」です。
審査に通りそうなカードはこちら
カード名 | 年会費 | 追加カード年会費 | ポイント還元率 |
---|---|---|---|
NTTファイナンスBiz | 無料 | 無料 | 1.0% |
三井for Owners クラシック | 1,375円(税込) ※初年度無料 |
440円(税込) ※初年度無料 |
0.45~0.5% |
とはいえ、キャッシング残高が100万円以上の方に自信を持ってお勧めできるカードは多くありません。
申込み者の年収が400万円以上あれば、セゾンプラチナやアメックスビジネスもご紹介できますが、ダイナースクラブやJCBゴールド、三井ゴールドの審査に通るのはおそらく難しいでしょう。ステータスの高いカードを持ちたいとお考えの方が、キャッシングに頼っている姿はあまり想像できませんよね。
さて、少し話が脱線しますが、皆さんは「年収が400万円以上あるにも関わらず、キャッシング残高が100万円以上の方」がどんな生活を送っていると想像されますか?
これまでの私の経験では、ほとんどの方がパチンコや競馬などのギャンブルにはまってしまい、家計内のお小遣いでは足りなくなり、キャッシングに手を出しておられます。
ご自身の好きなタイミングで現金が引き出せる便利なキャッシングですが、『キャッシングできる法人カードはどれ?』でご紹介したとおり、キャッシング地獄にはまってしまうと最終的に自己破産まで追い込まれてしまいます。もしお手元の現金に余裕があれば、優先的にキャッシングの返済に充てることをお勧めします。
キャッシング残高よりも借入社数が重要です
話を元に戻しますと、審査担当者としてはキャッシング残高よりも借入社数を気にします。
借入社数が1社であればOK、借入社数が3社であればNGという具合です。キャッシング残高が120万円だったとしても、1社で120万円借りているのか、3社合計で120万円借りているのかで返済額が異なります。具体的に下の図でご紹介します。
【借入元金と上限金利の関係】
借入元金 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年率20%まで |
10~100万円未満 | 年率18%まで |
100万円以上 | 年率15%まで |
- 1社から120万円を180日間キャッシングした場合の返済額
A社{元金(120万円)×金利(15%)÷1年(365日)×日数(180日)}+元金(120万円)=128万8,767円 - 3社から40万円ずつ180日間キャッシングした場合の返済額
A社{元金(40万円)×金利(18%)÷1年(365日)×日数(180日)}+元金(40万円)=43万5,506円
B社{元金(40万円)×金利(18%)÷1年(365日)×日数(180日)}+元金(40万円)=43万5,506円
C社{元金(40万円)×金利(18%)÷1年(365日)×日数(180日)}+元金(40万円)=43万5,506円※A社+B社+C社=130万6,518円
【借入社数と返済額の関係】
借入社数 | 元金 | 返済額 |
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1社 | 120万円 | 128万8,767円 |
3社 | 120万円 | 130万6,518円 |
いかがでしょうか、キャッシング残高や期間が同じでも、借入社数が異なれば返済額に違いが出ます。
参考例でご覧頂いたとおり、借入社数が少ないと返済額が少なくて済みます。不思議な話ですが、借入元金が増えれば上限金利が下がるので、キャッシングを利用する場合はできるだけ1社でまとめて借入されることをお勧めします。
あなたが審査に通りそうな法人カードはどれ?
最後になりましたが、私が監修として参加しているあなたが審査に通りそうなカードはどれ?60秒で模擬審査からカード選びのお手伝いができれば幸いです。
模擬審査では14個の簡単な質問に回答すると、各カードの審査に通る確率がA判定からD判定まで出力される仕組みとなっています。ご自身の信用情報を測定する上でも一度試してみて下さい。
また、審査に通る確率を上げるアドバイスや審査に通らなかった場合の対処法は法人カードの審査はどうなっておるのじゃ?でお話しておりますので、是非そちらも参考にしてみて下さい。
まとめ
キャッシングの残高は審査にさほど影響しません。返済期日をきちんと守っていれば、クレジットヒストリーは綺麗に保つことができます。
むしろ、借入社数が3社を超えるとマイナス評価になる傾向がありますので、借入社数はできるだけ減らしましょう。
- 三浦佑一郎
- シニアクレディッター(クレジット審査業務能力試験上級コース)
関西の国立大学を卒業後、メーカー系の金融機関で債権管理ととも与信審査を4年間担当。
【略歴】カード会社勤務5年目を迎える営業マン。趣味は転職(社会人10年目で転職6回)、特技は早期退職(最短記録は入社後3時間でクビ)。『転職の神様』なるハウツー本の出版を志すも、会社が副業禁止であえなく断念。昼間はクレジットカードの営業、夜間は法人カードの比較サイト運営に励む毎日。いずれは審査業務に携わるべく、クレディッター(クレジット審査業務能力検定一般コース)の資格取得に向けて勉強中。>> 運営者の詳細なご紹介はこちら