今回は「従業員による法人カードの不正利用の防ぎ方」をご紹介します。問題を防ぐ前にトラブルメーカーの対応で仕事が前に進まない・・という方は、こちらの書籍が参考になります。
従業員による法人カードの不正利用を防ぐには?
法人カードとは、仕事にまつわる支払いに利用されるものであり、仕事以外での利用は基本的にはNGです。
ましてや、カードを渡している従業員さんが土日にプライベートで利用したゴルフ代や飲食代を、会社の口座から引落しされたのでは、経営者としてはたまったものではありません。
https://twitter.com/3rdwave6/status/1275605995922747393?s=20
そこで、従業員さんがカードを不正利用する具体例と、未然に防ぐための処方箋を併せてご紹介します。
【具体例①】取引先への差し入れを失敬
おそらく、営業マンの99%が一度は経験するであろう、法人カードで購入した取引先への差し入れを失敬するパターンです。
以前の私も例外ではなく、取引先への差し入れとして購入したお菓子を拝借したり、お昼のお弁当や飲み物を買い込んだこともあります。上長に目を付けられると面倒なので、「月に1度、限度額は1,000円まで」と勝手に決めていました。
しかし、私の同期はバレて支店長に呼び出しを喰らい、朝礼で全員の前で謝罪していました。彼は、その後も結構な頻度で不正利用を繰り返して、最終的にはコンプライアンス違反で解雇されてしまいました。
そんな彼の姿を見て、「こんなつまらないことでクビにされてはたまらん!」と身震いした私は、それ以来、お菓子も弁当も自分で買うことにしています。(当たり前の話で恐縮です・・)
では、従業員さんが取引先への差し入れを失敬できない様にするには、以下のことを徹底しましょう。下記のしくみがあれば、従業員さんはかなり不便を感じるはずです。
上長の目をかいくぐってまで、取引先への差し入れを失敬するのは実に面倒です。この感覚を従業員さんに植えつけられれば、経営者の方の勝ちです。
“決裁権限を持つ人の経費の精算は上位者が決裁したり、経費を使う際は法人カードの利用を原則としたりするなどの再発防止策をとるという” / “ANA子会社元部長が2900万円着服 内部監査で発覚:朝日新聞デジタル” https://t.co/GMvaKqFkE6
— nots™ @ #適時開示アワード 2020 (@call_me_nots) February 4, 2019
【具体例②】接待交際費で友人と一杯
こちらは法人カードを持ったばかりの従業員さんに多く見られるパターンです。カードを持てたうれしさから気持ちが大きくなり、「今夜はオレがご馳走するよ!会社には、得意先の接待ってことにしとけばOKっしょ!」と友人に自慢するのです。
しかも、バーやラウンジ、キャバクラのような店では商品明細など出してくれませんし、「何人で行ったのか?何にいくら使ったのか?」もわかりません。
それを良いことに、月に何度も接待交際費で友人たちと飲み会を開催している、不届き者の懲らしめ方をお伝えします。
会社の法人カードで海外のエッチなお店の接待した事あるんだけど「Charleston Cafe」ってレシートだからバレないと思って経費処理したら、経理部門の女子達はその店の''全て''を理解してて、しかもその伝票を処理してきた男子達を「Charleston♡Boys」と総称してる事を後から知り青ざめた事がある。
— 【休業中】藤木部長@メンズおばさん (@choku_nyu) May 7, 2019
ビジネスの通例として、接待とは事前に予定が決まっているものなので、前もっての報告もなく接待交際費が使われるのは異常事態です。下記のしくみを徹底しておけば、友人との飲み会で法人カードの出番はありません。
従業員さんが「月に2回以上の接待が必要です」と良い張る取引先には、上長が抜き打ちの同行訪問をおすすめします。そこで従業員さんが慌てふためく様であれば、一気に追い込んで洗いざらい白状させましょう。
【具体例③】会社の備品と一緒に私物を購入
コンビニやドラッグストアで会社の備品を法人カードで購入する時に、自宅用のスティックのりやティッシュペーパーを一緒に買いこんでしまうパターンです。
従業員さん本人は「仕事用に使うこともあるし・・」と言い訳をするかもしれませんが、これも立派な不正利用です。
コンビニやドラッグストアの商品は一つひとつが比較的安いので、「これくらいだったら混ぜてもいいか!」とつい思ってしまいます。しかし、塵も積もれば山となるもので、気がつけば自宅に会社の備品が山積みになっている従業員さんへのお灸の据え方をお伝えします。
【具体例④】休日に法人ETCカードでドライブ
営業マンが休日に法人ETCカードや法人ガソリンカードをプライベートで使用するパターンです。
恋人や家族とのドライブで、自分のETCと会社のETCを差し替えるだけで高速料金が会社経費になります。ガソリンメーターが減ってきたら、法人ガソリンカードで給油もバッチリ!
私の前職の先輩は「休日は会社行事のボランティアに参加します!」と適当に理由を作って、会社のカードで彼女とドライブをしていたそうです。
そんな頼もしい先輩から、従業員さんが休日に法人ETCカードや法人ガソリンカードを使えない様にする防衛策を教えてもらいましのたので、こちらで共有させていただきます。
まとめ
- 法人カードを持たせる従業員さんを厳選する
- 利用のルールや上限金額を事前に教育する 【参考】法人カード利用の社内規定
- 領収書と商品明細を一緒に提出させる
- 接待で利用する場合は、事前に報告させる
- 法人ETCや法人ガソリンカードは社内で管理する
上記のルールを徹底することが基本でございます。それでもズル賢い従業員さんは抜け穴を見つけて不正利用することを見越して、上長は毎月の利用明細に細かく目を通しつつ、目的が怪しい利用は即座に問いたださねばなりませぬ。
「この上長の目をごまかすことはできぬ・・」という意識を従業員さん一人ひとりに持たせることが、不正利用を防ぐ最大の砦となりますぞ。
【略歴】カード会社勤務5年目を迎える営業マン。趣味は転職(社会人10年目で転職6回)、特技は早期退職(最短記録は入社後3時間でクビ)。『転職の神様』なるハウツー本の出版を志すも、会社が副業禁止であえなく断念。昼間はクレジットカードの営業、夜間は法人カードの比較サイト運営に励む毎日。いずれは審査業務に携わるべく、クレディッター(クレジット審査業務能力検定一般コース)の資格取得に向けて勉強中。>> 運営者の詳細なご紹介はこちら