審査に通りにくい業種・企業5選【アスリートや芸能関係】

審査に通りにくい業種・企業5選【アスリートや芸能関係】
この記事の監修者
三浦佑一郎
シニアクレディッター(クレジット審査業務能力試験上級コース)

関西の国立大学を卒業後、メーカー系の金融機関で債権管理ととも与信審査を4年間担当。

今回は「審査に通りにくい業種・企業とは?」をご紹介します。

 

審査に通りにくい業種・企業とは?

謎のベールに包まれている審査の話は、現役の法人カード審査担当者としてご活躍されている三浦さんにご説明頂きましょう。どんな話が聞けるのか、是非お楽しみください。

先ごろ、秀吉公がカードの審査に通りやすい業種・起業で建設業(ゼネコン系)への転職を考えておられたそうな。そのように審査に通りやすい業種があるのであれば、審査に通りにくい業種もあるのでござろうか。
あまり大きな声では申せぬが、コンサルタントや芸能関係の仕事は審査担当者からの評価が良くないそうじゃ。昔からかぶき者への目は冷やかと相場が決まっておるが、申込む者の信用情報に問題がなければ審査に通るカードもあるそうじゃ。

 

審査に通りにくい業種・企業5選

こんにちは、某クレジットカード会社で審査担当者として勤務しております三浦と申します。今回は「審査に通りにくい業種・企業はどれ?」というお題でお話させていただきます。

カード会社の認識として、審査に通りにくい業種・企業というものは実際に存在します。審査に通りにくい仕事のキーワードは「収入の不安定感」と「会社の実態が良く分からないこと」です。

以下はあくまでも私個人の経験談ですので、参考程度にお楽しみ下さい。

【其の壱】芸能関係(タレント・芸術家など)

芸能関係の仕事はタレントや歌手などすぐにイメージできるものから、クリエイターやアニメーターなど認知度がそこまで高いとは言えないものまで様々です。

昔から芸能関係の仕事は収入が安定しないことで知られており、カード会社としても審査に二の足を踏むことが多い業種です。以前、陶芸家の方に「自分の作った壺は百万円の価値があるから、私はカードの審査に通るだろう」と言われましたが、その壺にいくらの価値があるか誰にもわかりません。

他にもユーチューバーから地下アイドルのプロデューサーまでお申込み頂きますが、いずれも審査に通るのは並大抵ではないとお考えください。

【其の弐】スポーツ関係(アスリートなど)

芸能関係と同じく、収入が安定しない仕事といえばスポーツ選手です。

年末年始のプロ野球選手の契約更改が顕著ですが、「昨年度から2億円アップ」や「怪我で1億円ダウン」のシビアな世界に生きる方々に審査のノウハウが通用する筈もなく、お断りさせて頂くことが多い業種です。

毎月の収入が安定しないアスリートの方が多いこともあり、審査に通るのは厳しい業種と言えます。

【其の参】風俗・娯楽関係

風俗・娯楽関係も審査に通るのが難しい業種のひとつです。

収入や仕事内容が審査基準に満たない以上に、こちらの業種に所属する方の中に反社会的勢力が含まれる可能性を恐れることが原因です。

以前、とある金融機関が反社会的勢力に融資した事実が発覚して、ニュースや新聞でも大々的に報じられました。(参照:「みずほ銀に業務改善命令 反社会勢力と取引措置」)

金融業界のルールとして、反社会的勢力に融資すると金融庁から業務停止命令を食らってしまうこともあり、風俗・娯楽関係の方からのお申込みはできるだけお断りしているのが実情です。

【其の五】介護・福祉関係

最近は介護福祉関係の方のお申込みが増えており、カード会社からの注目度も高い業種です。ただし、今後も成長が見込める業種だから審査に通りやすいかと言えば、決してそんなことはありません。

本業が教育関係や建築関係の会社が、「何となく儲かりそうだから」と片手間に運営されているところは収益の確保に苦労されており、無計画に施設を作っては潰すを繰り返す事例も散見されます。

ある程度の安定した収入が約束されない限り、カード会社が積極的にカードを発行することはないというのが私なりの見解です。

介護施設に販売店を無料で紹介するサイト【フクロウ介護】も参考にしてください。

【其の六】コンサルタント

コンサルタントと言えば、怪しい職業ランキングで1位に輝くほど実態が見えない仕事として名を馳せています。(参照:「何やってる人?社会人が「うさんくさいなぁ」と思う職業ランキング」)

カード会社の見立ても似たり寄ったりで、申込書の職業欄に「○○コンサルタント」と記載があると、「この方はどんな仕事で収入を得ておられるのだろうか」と思わず首をかしげたくなることもあります。

もちろん、申込者の信用情報に問題がなければカードは発行されますが、利用限度額は低めに設定されるかもしれません。

 

さて、ここから先はオフレコですが、これらの業種に就かれている経営者様の中にも、従業員さんに追加カードを持たせたいとお考えの方が数多くいらっしゃいます。

しかし、審査の過程で従業員の方の信用情報に問題があることが判明したために、ごくごく稀に追加カードの発行をお断りさせて頂くことがあります。

カードを発行されなかった従業員の方が周囲からどういった目で見られるか、気持ちが弱い私は想像するだけでも居たたまれない気持ちになります。

 

【鉄則】やっぱり大切なのは信用情報です

ここで質問です。皆さんが審査担当者であれば、AさんとBさんどちらの経営者にカードを発行しますか?

【Aさんの情報】
年齢:43歳
職業:不動産会社経営者(12期目)
年収:3,000万円
信用情報:直近3ヶ月連続で住宅ローン支払いの延滞あり

【Bさんの情報】
年齢:26歳
業種:建築会社経営者(2期目)
年収:280万円
信用情報:自動車ローンの支払い遅れなし

【以下、私なりの回答です】
世間一般の審査担当者は、Bさんにカードを発行します。たしかに、Bさんは年齢も若く、業種や業歴、年収も説得力があるとは言えませんが、自動車ローンの支払いに遅れがないことが最大のストロングポイントです。

一方のAさんは、業歴も長い不動産会社の経営者で年収も文句の付けようがありません。しかし、住宅ローンの支払いがここ3ヶ月連続で遅れており、審査に通る可能性はほとんどありません。(詳しくはブラックリストとはなんぞや?

つまり、業種よりも大切なのは信用情報です。カードやローンの未払いがなく、きちんと毎月の支払いができていれば、(一部、例外はあるものの)業種を問わずに審査には通るのです。

 

あなたが審査に通りそうな法人カードはどれ?

私が皆さんのお役に立てるとすれば、あなたが審査に通りそうなカードはどれ?60秒で模擬審査から、カード選びのお手伝いができれば幸いです。

模擬審査では14個の簡単な質問に回答すると、各カードの審査に通る確率がA判定からD判定まで出力される仕組みとなっています。ご自身の信用情報を確認する意味でも一度試してみて下さい。

また、審査に通る確率を上げるためのアドバイスや審査に通らなかった場合の対処法は法人カードの審査はどうなっておるのじゃ?でお話しておりますので、そちらもご覧ください。

 

 

この記事の監修者
三浦佑一郎
シニアクレディッター(クレジット審査業務能力試験上級コース)

関西の国立大学を卒業後、メーカー系の金融機関で債権管理ととも与信審査を4年間担当。

 

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